何よりも、基本が大事【たまプラーザ倶楽部】

「エッサ、エッサ」

 

制服のポロシャツから、青い法被に着替えた職員さんたちの、ハチマキで気合の入った掛け声が特別養護老人ホームたまプラーザ倶楽部の中をこだまします。職員さんたちが神輿をかついで練り歩くと、ご利用者さんも手をたたいて音頭をとり、メインステージでは施設長の中村さんが太鼓をたたきます。ドン、ドンと、身体の内側に音が響くため、耳が聞こえづらいご利用者さんにも好評です。誰もが知るソーラン節は、新人職員の登竜門的なイベントにもなっています。全力で取り組む方が行事は盛り上がりますね。


介護の基本はどこにあるのか

太鼓の音は派手でも、中村さんが施設長として常に職員さんに伝えているのは、「何よりも、基本が大事」という、シンプルな考え方です。

 

「介護って何も難しくないんです」

 

そう話す中村さんは、病院での看護助手から福祉の仕事をスタートし、医療系の企業へ転職し、様々な施設や事業所を経験してきました。事務職としての裏側や縁の下、いろいろな立場から介護の現場を見てきました。だからこそ、施設長として、「難しくない」と職員に伝えます。

 

「よくね、『忙しくて仕事が回らない。施設長どうにかしてください』って言われるのだけど、回らないって言葉の中にはご利用者さんはいないよね」

 

痛いところをつかれた、私はチクリと胸が痛みました。特別養護老人ホーム(以下、特養)で働いていたとき、「午前中で〇〇人に入浴してもらわないと今日の仕事が終わらない」、「〇〇人のシーツ交換を今日中にしないと終わらない」など、自分自身を自分が作った期限で追い詰めて、「仕事が回らない」と、よく口にしていたことを思い出しました。

 

今となっては、「今日ゆっくりとお風呂に入りたいご利用者さんにお付き合いして、もしも入れなくなってしまうご利用者さんがいたら、ごめんなさいと謝って午後や明日入ってもらえばいい」と、割り切ることができます。自分自身が達成感を得たかっただけで、ご利用者さんには関係ないことです。ご利用者さんのペースですっきり気持ちよく入浴できさえすればよかったのです。

 

しかし当事者として働いていると、忙しいという雰囲気に飲み込まれてしまい、発想の転換がしにくかったのも事実です。


まずは5分、10分からでもご利用者さんと関わる時間をつくろう

そこで、中村さんは職員さんに基本を思い出してもらうリハビリを始めました。

 

「まずは5分、10分からでも、ご利用者さんの隣に座って関わろう」

 

忙しいと自分自身を追い詰める病にかかっていると、その5分間がとても難しい。座って話を聞いていることも立派な仕事なのに、せわしなく動いていないとなんだか仕事をしていないかのように感じてしまうのです。考え方のリハビリと同時に、物理的な面での効率化にも取り掛かり、シーツ交換や洗濯などの間接的な仕事を専門にしてくれる職員さんを迎え入れました。その結果、介護職員さんたちはご利用者さんに触れる介護に専念できるようになりました。

 

介護の仕事は工場にあるベルトコンベアのような機械を回すことではなく、ご利用者さんに注ぐ時間そのものが仕事になると考えると、ご利用者さんの話を聞くことが基本に見えてきます。


相手の良いところを見る

「中村さんが施設長になる前は、マイナスにばかり物事をとらえてしまい他の職員さんたちと一緒になって愚痴を言い合ってばかりいましたね」とフロアーリーダーの神村さんは振り返ります。

 

「フルパワーで向き合えるのが神村の強み」と、上司や職員さんからも良いところを認めてもらい、自分の持ち味を再発見したことで、「今はプラスに考えて話せるようになりました」と表情にもパワーがあふれんばかりでした。

 

すれ違う時に元気に挨拶してくれた職員さんは、神村さんのユニットの新人職員さんでした。「挨拶が元気でさっぱりしていますね」と私が言うと、「ありがとうございます。やはり自分のユニットの職員が褒められると嬉しいですね」と、神村さんは笑顔をうかべてくれました。「彼は元気な挨拶が良さだったので、とにかく元気にといつも伝えています。仕事はまだまだでも成長が楽しみです」と、先輩らしいひと言もありました。

 

ここにも「何より基本が大事」という、基本があります。悪いところばかりに目がいってしまう環境や考え方では、良いところは気づいてもらえず、つぶれていってしまいます。職員さん同士であれ、ご利用者さんに対してであれ、その人の良いところを見ることが良い関係を作っていくための基本だと思います。


基本の上につくるものを考える

施設内でのレクリエーションの企画も、成功するまでの過程を知ってもらいたいという考え方があります。なにか必要な物品があれば、企画書と物品の見積もり書を企画者が用意します。その際に合い見積もりをとり、より施設に必要なものを見極めます。最終的にほしい物品が決まったら、企画書に添付して、施設長に企画者自らがプレゼンをします。

 

「書類を主任に提出して、待っていたら物品が届いたでは、その過程を知ることはありません。上司は書類だけもらっても、その物品を何にどう使いたいのか分かりません」

 

職員が施設長に直接プレゼンをする機会は、他の施設ではなかなか出来ない貴重な経験になります。緊張の先には「次はもっと上手に伝えたい」と思うきっかけが待っていて、結果として人に自分の想いを伝えるためにはどうしたら良いかを学びます。教える手間も時間もかかりますが、かけた時間があるからこそ成功した時の嬉しさも大きいものになるそうです。

 

数年前に、施設の広い屋上で打ち上げ花火を上げ、ご利用者さんと楽しもうとした企画では、花火が思いもよらぬ方向に上がり、隣の民家へ入ってしまった事件がありました。職員さんと中村さんは、その民家に慌てて謝りに伺いました。

 

「申し訳ありませんでした。来年は打ち上げない花火をしますので、ぜひ遊びにいらしてください」と、失敗にもめげず、来年につなげてしまうお茶目さも見え隠れします。

 

何よりも基本が大事、と書きましたが、基本の上に積み上げるものは職員さん自身で考えなければなりません。思考を停止してロボットのようにルールに準じて働くのではなく、基本は基本として、その先は職員さん自らが考える力を大事にしています。

 

「職員がおのおの考えを巡らせ、いろいろなことをしようとしているおかげで、リスク管理という点では大変ですよ」と言いながらも、気づくと中村さんも神村さんと似た表情をしています。それは神村さんが「新人職員さんが成長している姿が嬉しい」と言ってくれたときと同じでした。

 

「何よりも、基本が大事」と伝えてきたことが、ようやく職員さんに届き、さらにひとり一人がその基本の上に何かを作ろうとしているのが頼もしくもあり、嬉しいのだと思います。


採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人 葵友会 たまプラーザ倶楽部
 サービス形態 特別養護老人ホーム
 勤務場所 神奈川県横浜市青葉区元石川町3697-1
 最寄り駅・アクセス

田園都市線あざみ野駅、たまプラーザ駅から徒歩15分

募集職種 介護職
雇用形態 ①正社員②パート社員
仕事内容 ご利用者さんへの介護サービスの提供。その他、委員会参加における施設運営。分からないことがなくなるまでサポートします。
給与

①基本給173,700円~202,400円、資格手当5,000円(介護福祉士)、夜勤手当6,500円/回、扶養手当(配偶者10,000円、16歳未満の子供8000円、16歳~20歳の子供10,000円)、処遇改善手当15,000円

②960円/時(土日祝日50円アップ)、処遇改善手当80円/時、資格手当 3000円(介護福祉士)、1000円(初任者研修修了)

勤務時間

①7:00~16:00、9:00~18:00、11:00~20:00、夜勤16:00~翌10:00

②7:00~16:00、9:00~18:00、11:00~20:00、 または7:00~20:00の間の6時間以上

休日

①、②ともに4週8休

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス

①年2回計2.0カ月

夜勤 ①16:00~翌10:00 月平均4~5回
交通費 ①実費(上限なし) ②50,000円/月まで
社会保険

①雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金

②も同様但し一定時間以上の勤務の方

車通勤 不可
昇給 あり
選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  


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定員が29名という小さな規模だからこそ、職員とご家族が一体となって利用者さんの生活を見守ることができます。「単なる老人ホームではなく、地域の拠点にしたい」と、誰もが集える開かれた場を目指しています。

新百合ヶ丘・あざみ野

ご利用者さんも職員さんも、夢が持てる施設でありたいと作られた、医療法人運営の有料老人ホーム。職員さんにまず求められるのは、介護技術ではなく、笑顔で元気があることです。

たまプラーザ・センター北