今だけでなく、未来を考えて【座間苑】

 昭和から平成、そして令和と3つの元号を生きてきた、社会福祉法人慈恵会の特別養護老人ホーム座間苑。この地で獣医をしていた創設者の澤田恭一氏が、「お世話になった地元に、恩返しをしたい」という想いで、まだ高齢者施設の少なかった時代に、座間市で初めて特別養護老人ホームを開所したのが38年前のことでした。施設向かいの田んぼには、稲が土にしっかりと根を張り、夏の日差しを目いっぱい浴びて、その葉を揺らしています。

ノスタルジックさが良い

施設の設備はどこか昭和のにおいが残るノスタルジックな雰囲気があり、歩いていると、いつか祖母に連れて行ってもらった銭湯を思い出しました。

 

最近は施設内の空調をエアコンで一括管理しているところも増えてきていますが、座間苑ではエアコンの風を扇風機で対流させ、まんべんなく風が行き渡るようにしています。扇風機でやわらげた空気は、どこか優しく身体を包んでくれます。


居室入口には木製の格子の引き戸が使われていたり、居室の窓は障子戸で光の調整がされていたりと、まるで和室のような空間になっています。

 

このような和の雰囲気につつまれた施設内は、ご利用者さんにとってはなつかしく落ち着く場所に、働く職員さんにとっては古く物珍しいものが、一周回ってむしろ新しく感じられたり、可愛がってくれた祖父母が住んでいた家を思い出して和んだりするものになっています。

 

 

「この古さが気に入りました」と、入職を決める職員さんもいると言うのですから、働く場所の魅力は新しさだけではありません。


ボランティアを生きがいに

「地域とのつながりという面では、ボランティアさん抜きには語れません。何十年も続けてくれているボランティアさんの中には今年で95歳の方もいます。この部屋で60人分のご利用者さんの洗濯物を畳んでくださっています」

生活相談員の山内さんは続けてこうも語ります。

 

「ボランティアって無料の労働者だと考えている方もいるかもしれませんが、そうではないと私は思っています。座間苑に来て、洗濯物をたたんでくださること以外にも、私たちは“潤い”もいただいているのです。『長く生きたって、生きがいがない』とこぼす人もいますが、ボランティアに来て下さる方々はこの仕事にやりがいを感じ、それを生きがいにしてくださっています。本当にありがたいことです」

 

ご利用者さんの平均年齢よりも高齢のボランティアさんの活躍は、ご本人にとってもやりがいに、施設にとっては潤いや地域貢献になり、またそれは理想の介護予防法に思えます。

 

 

仕事を終えたボランティアさんが、「今日も終わったよ」と、いきいきとした顔で帰っていく姿が見えた気がしました。


ご利用者さんの世界に入って話をする

食堂に行くと、10人ほどのご利用者さんが、介護主任の朝永さんを囲んで盛り上がっていました。朝永さんの手には赤い玉のついたけん玉が握られ、

「もっと先の方を持って」

「いやいや、そこでいいんだよ」

「(玉が)乗らないね~」

やいのやいのとあちこちから声が飛び交っていました。

「では次の技、いきますよ~」

朝永さんの掛け声に合わせてご利用者さんの視線がけん玉に集まると、

「よっ!!!」

手首のスナップに合わせて赤い玉が宙を舞い、けん玉の小皿で無事にキャッチ。

「あ~!!乗った!」

手を叩いて喜ぶご利用者さんを見て、まるで大道芸人のような朝永さんも満面の笑みです。

 

「他の職員が対応に困ってしまったご利用者さんも、朝永さんでしたら大丈夫です。ご利用者さんの世界に入って話をすることができるのでしょうね」

生活相談員の山内さんは、朝永さんにそう太鼓判を押します。

 

認知症のご利用者さんの場合、実際にはないものが見えていたり、注意が向かないがばかりに目の前にある食事が見えていなかったり、職員とは違う景色をご利用者さんは見ていたりします。ご利用者さんにとってはそこにあるものを、「そこにはないので、こちらにしましょう」と言われても、あると思っているご利用者さんからしたら腹が立つはずです。

 

声掛けひとつ取ってみても、Aの時にはBといった決まった答えがない以上、介護職員さんの技量が問われてしまうのです。

 

 

自分と相手の見ている景色の違いは、認知症の症状に限って引き起こされるものではなく、もしかすると人間誰しも自分にとって都合の良い世界を見ているのではないでしょうか。自分の世界から話をするのではなく、相手の見ている世界に応じて話をすることは、きっとどの場面でも求められるはずです。


10年後の未来を見据えて伝える

サックスブルーのポロシャツがよく似合う快活な生活相談員の山内さん。実は、体育科の教員を目指して学生時代を過ごしたそう。

 

「中学・高校の教員を目指したのですが、女性の体育の教員は採用率3%という狭き門で採用とはなりませんでした」

他の職種で就職するも、30歳のときに一念発起し、とある有料老人ホームで介護職として働き始めました。しかし、何かをしたら請求書を立てる、家族からの目を気にしてイベントやケアをする施設の運営方針に対し、ご利用者さんの気持ちに応えられていないなと感じたことから転職を決意しました。

 

「特別養護老人ホームであれば、生活困窮者や身寄りのない方も入居できるため、本当に支援を必要としている人にかかわれるのではないか」

そう考え、座間苑に応募したそう。介護職員から介護主任を務め、生活相談員になった今、介護主任を務めた当時をこう振り返ります。

 

「教えることが難しかったですね。教える人によって、新人職員さんに求めるゴールが微妙に違っていたりします。私は、座間苑で1人前に仕事ができるようになってもらうだけでなく、社会人としても1人前になってもらいたいと思って教えていました。10年後、その人がどうなっているのかを見据えていました」

 

 

「具体的には、『洗面台が散らかっているよ』、『名札をつけ忘れているよ』と一つひとつ、細かいかもしれませんが伝えていました。本当は、くどくどと注意はしたくなかったです。けれども、たまに面会に来てくれたご家族が散らかっている洗面台を見たら、『いつも散らかっているのだな』と思ってしまうかもしれません。自分の身だしなみが整っていない職員が、ご利用者さんの身だしなみを整えられるわけもないでしょう。特別養護老人ホームに入居してもらうことを、まだまだ後ろめたく思って涙を流すご家族もいるのです。『座間苑にいて良かった』と、ご利用者さんにもご家族にも思ってもらいたいと思って働いています」


施設の入口のすぐ目に留まる場所に、職員さんの名前付きの写真が飾られた黄色いボードがあります。山内さんがベニア板を使って一から作った特製ボードです。

 

「ご利用者さんの家族とのやりとりは生活相談員が担当していますので、『いつもありがとうね』と感謝の言葉をいただき、職員に伝言するのですが、本当に直接感謝してもらうべきは日々介護にあたっている現場の介護職員だと思っています。ですから、せめて面会に来てくれたご家族がここに足を止めて、『こんなにたくさんの人が資格を持って働いているのだ』と、その他大勢の名もなき誰かではなく、1人ひとり名前のある職員として見てもらえたらなと思って飾っています」

 

 

一つひとつの仕事に願いを込めて働いている山内さんには、いつまでも話していたいと思える魅力がありました。誰かのために一生懸命になれる姿は、周りの人の胸をこれからも打ち続けていくでしょう。


教育担当を段階的に育てる

「新人職員さんは、まず介護主任か副主任と同じ勤務帯で1か月間働いてもらいます。そこで新人職員さんの得意なことや苦手なこと、性格などを総合的に判断し、チューターという教育担当を選びます。2カ月目からは、そのチューターについて仕事を教わっていきます。そうすることで、『誰に質問したらいいのか分からない』と新人職員さんが悩むこともなくなります」

 

先輩職員は誰でもチューターになれるわけではなく、教えることに長けている人を抜擢します。以前は、フロアー配属とともにいきなりチューターへ引き継がれていたため、新人職員さんがどのような人なのか分からないまま手探りで教えることになり、チューターの負担や責任は重いものでした。

 

しかし今は、1か月目でしっかりと適性を見極めて、担当に選ばれたチューターと介護主任、生活相談員で打ち合わせを行い、「主任も相談員もいるから大丈夫だよ」とチューターを心理的にサポートしながら引き継いでいきます。さらに最近は、副チューターも起用し、次期チューターとして教え方を間近に見てもらい、教える側の育成も行っているそう。

 

30年を超える長い歴史の中で積み上げられてきた人材育成のノウハウを駆使して、技術や知識だけではなく、新人職員さんに教える人という視点でチューターをも段階的に育てることで、教わる側も教える側も良い方向へと導いてもらえるのです。


大きな心を追いかけて

ご利用者さんと冗談を言いながら、けん玉に興じる施設長の小林さん。今年の春まで勤めていた理事長(前施設長)についてこう語ります。

 

「理事長は本当に大きな人でした。寒くなってきたら「子供は風邪ひいてねぇか?」、またある時には「奥さんは元気か?」と、地元方言のだろねぇ言葉で声をかけてくれるのです。目の前にいる私だけではなく、その後ろにいる人にまで心を配ってくれていました。地元のお祭りに行けば、住民の方にあちこちから呼ばれて話していて、そこに偉そうな感じがまったくないのです」

 

「座間苑はコンパクトな施設なので、自然に他の職種の働き方が見えるようになっています。事務所にいれば、施設長や生活相談員、ケアマネジャーそれぞれがその働きを見ています」

 

取材の最中、他の場面の写真撮影をしていたところ、ふと小林さんの姿を探すと、ショートステイに訪れていたご利用者の枕元にそっと身をかがめて話し込んでいる姿を見かけました。

 

「環境が変わることに不安を感じやすい方なので、ちょっと様子を見てきていました」

 

 

小林さんと理事長の広く深く人へ心を配る姿は、同じものに思えました。人から人へ、その言動や長としての在り方が伝え継がれてゆく光景を私は見たのです。


座間苑の入口を鮮やかな黄色に彩るヒマワリは、座間の市の花です。ヒマワリはどんな場所に置かれても、太陽を向いてその花を開きます。

 

それはまるで、どの立場においても相手を想いながら働く、座間苑の職員さんのよう。相手を想い、認め、未来を考え教えてくれる人がここで、あなたを待っています。


採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人慈恵会 特別養護老人ホーム座間苑
 サービス形態 特別養護老人ホーム、ショートステイ
 勤務場所 神奈川県座間市新田宿151
 最寄り駅・アクセス

JR相模線入谷駅から徒歩10分

募集職種 ケアワーカー
雇用形態

①正社員②パート

仕事内容 特別養護老人ホームにおいて、ご利用者さんの生活全般を支える介護のお仕事です。座間市で一番歴史の長い特別養護老人ホームです。
給与

①185,904~236,580円 (基本給175,904~226,580円)、処遇改善手当10,000円/月、夜勤手当6,500円/回、(住宅手当、扶養手当、役職手当、年末年始手当等該当者に支給あり)

②1,080~1,110円/時 (基本給1,030~1,080円/時)、処遇改善手当50円/時、年末年始出勤時手当あり

勤務時間

①7:30~16:30、9:00~18:00、10:00~19:00、17:00~翌10:00

②7:30~16:30、10:00~19:00、7:00~19:00までの間で6時間から勤務可能

休日

①週休二日制(シフト制による)、年間休日109日

②週休二日制(シフト制による)

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス

①年2回合計4.5カ月(前年度実績)

②年2回(5,000円~50,000円出勤時間等により支給)

夜勤 ①あり(月4回平均)
交通費

①上限50,000円まで実費支給

②上限25,000円まで実費支給

社会保険

①雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金、退職金共済

②労災保険

車通勤 可(駐車場代2,000円/月)
昇給 あり
選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  


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