幸福論【サンホーム鶴間】

「社会福祉(法人)はそもそも企業とは違います」

 

課長の川上さんはきっぱりとそう言います。お金だけを求めたら、つかんだ砂が手から零れ落ちるように流れていってしまうけれど、目の前の人を拒まずに全力で向かい合っていきさえすれば、いつか必ず報酬はついてくる。「サンホーム鶴間は、あんなに大変そうな人も断らずに受け入れている」という地域の人たちからの厚い信頼になる。「困ったときにはサンホーム鶴間に行ってみよう」と、お金では買えない行動という価値が生まれる。そんな時間をかけて染み渡った評価は施設にとっての財産となるのです。

 

3人がかりで対応しなければならないほど介助を必要とする方が、デイサービスを申し込みに来ました。他のデイサービスでは、1人のご利用者さんに3人もの職員がつくのは割に合わないと断り続けられたそうです。職員さんたちに受け入れるかどうか尋ねてみると、「これは私たちでないとできない仕事ですね」と答えたそうです。もう1度言います。「私たちにはできない」ではなく、「私たちでないとできない」と返ってきたのです。

1000回とも安全な介助

サンホーム鶴間における介護にはふたつの柱があり、ひとつは「1000回とも安全である介助」です。

 

特別な介助方法や技術、福祉用具などがあるわけではありません。ご利用者さんにとって安全かつ安楽でベストな介助を、職員全員が毎回行う。たったそれだけのことが、実際の介護の現場でいかに出来ておらず、おろそかにされてしまっていることか。たとえば職員の人数が足りないために、忙しいことを言い訳にして、本来であれば2人の職員で移乗介助すべきところを、1人で行ってしまう施設が多くあります。経験年数の長い職員が「私だったらひとりでできる」と過信し、挙句の果てには2人で介助している新人職員が悪いかのような言い方をしてしまう。

 

「2人で介助することが安全であるなら、そうするべきです。1000回介助したら1000回、毎回が安全な介助であるべきです」

 

そのためには各委員会(食事委員会や排泄委員会)が中心となり、ご利用者さんひとり一人をどう介助するのが安全かつ安楽であるかを話し合い、職員全員に徹底します。ご利用者さんが喜び、安心する介助には、真新しさや華やかさよりも、実直であることのほうが大切です。それらは結局のところ、職員の心や身体の安心・安全を守ることにもつながります。サンホーム鶴間には腰痛撲滅委員会もあり、メンバーは国際福祉機器展に自ら赴き、使えそうなもの、あればさらに良い介護につながりそうな福祉用具を積極的に探し、導入につなげていくそうです。


誰も一人ぼっちにはならない

もうひとつの柱は、メンター制度という職員を大切に育てる仕組みです。新しい職員が入職すると、「プリセプター」という教育担当者が必ず1人つきます。プリセプターになるためには、役職者ではないことが条件です。ひとり立ちまでの期限付きではなく、サンホーム鶴間で働く限り、永遠に担当は続きます。プリセプターは必ず秘密を守り、また無条件に話を聴きます。2人だけの秘密を作ってもいいという方針なので、必要がなければ上司への報告もしません。仕事のことから体調、プライベートなことまで、何でも相談できます。

 

入職後は定期的にアンケートを書いてもらい、それに対して課長の川上さん自らが手紙を書きます。後日、新人職員とプリセプター、そして川上さんの3人で面談をします。その中で、出来ている業務があれば、「今度からこの仕事はひとりでやってみようか」といった具合に進言します。2カ月や3カ月と期限を決めて独り立ちとしてしまう施設が多い中、「ひとり一人に個性があるのだから、画一的に育てるのは難しいと思います」と川上さんは語ります。

 

誰にだって得意なことと苦手なことがあります。苦手で出来ていないことだけを咎めてレッテルを張らずに、出来ていることをまずは認める。苦手なことはとりあえず後回しにしてもいいのです。「出来た」という成功体験を積み重ねていき、苦手だと意識せずに取り組んでいると気づかないうちに苦手なことは自然とクリアーされていたりするものです。

 

実際に、同じ時期に入職した2人の職員がいて、ふたりとも仕事はひと通り覚えたものの、ひとりは夜勤に不安が残り、もうひとりは入浴介助が苦手でした。いずれの職員に対しても、プリセプターが親身になって教えることで不安が薄れ、できなかったことができるようになったそうです。

 

プリセプターと新人職員は「ペア」と呼ばれます。ふたりの間には見えない糸が張り巡らされ、特別養護老人ホームの(以下、特養)介護職から相談員、デイサービスへと役職や働く部署が変わっても、いつまでも困ったことを相談し合う関係ができます。たとえば副主任になっても、今度の会議をどう司会進行していこうかと、プリセプターの先輩である職員に相談したりします。上司と部下というタテの関係ではなく、そこには特別な信頼関係と絆が生まれるそうです。

 

「つまずいてもいい。転んでもいい。自分で立ち上がること」

 

芽が出ているところに、適切に水や肥料は与えるけれど、伸びて成長するのは本人です。決してひとりにはしない。「職員に対する、パーソンセンタードケアですね」と川上さんは言います。ある職員を中心として考え、隣にはプリセプターがいて、同期や所属の主任、後輩、そして職員の数だけ円が広がり、必ず重なりが生まれ、誰も一人ぼっちにはならないのです。

 

成長した新人職員が何年か経ち、自らプリセプターに申し出てくることも多くあるそうです。自分が育てられたことで、今度は育てたいという気持ちが生まれます。新人を育てることで、自らの成長にもつなげたいと願うからです。そこには、まだ先輩教えてもらいつつ、頼りたい気持ちもある反面、誰かに頼られたいという気持ちが根底にあるのではないでしょうか。


強くない人たちを誇りに思う

特養の入所者80名のうち、看取りケアを行うご利用者さんはひとりに限定しています。最近では、多くの特養が積極的に看取りケアに取り組み、職員さんたちはご利用さんが最期の時を迎えるまでサポートしています。たったひとりに限っている理由は、施設全体でそのご利用者さんを看るためです。「何人もの看取りを並行して行うことはできません」と職員さんから声が上がったのです。ひとりの人間の最期と向き合うには大きなエネルギーを要します。何人ものご利用者さんの看取りケアを同時に行ってしまうと、一生懸命にひとり一人と向き合いたいと願う職員さんのこころが折れてしまうのです。川上さんは、最期を迎えたご利用者さんが施設を離れる際、見送る職員さんたちが涙を流すことをこう称えます。

 

「気持ちが揺れるのを我慢できるほど僕たちは強くないですし、強くない人たちを誇りに思う。」


ほほえみを探して

認知症対応のフロアから始まった「ほほえみクラブ」では、ご利用者さんの願いごとを何かひとつ叶えるために、職員さんがありとあらゆる手を尽くします。

 

とあるご利用者さんは昔、仕事の帰りによく食べた焼肉の「とんちゃん焼き」が食べたいと話されました。暗くなってからしか営業しないそのお店に交渉し、営業前の時間に貸し切りの時間を作ってもらいました。目の前で七輪を使ってもくもくと煙をたてながらお肉を焼き、歯がないご利用者さんでも食べられるように切ってもらうと、満足そうにほおばってくださいました。そのお店に行くまでには、体調管理や当日そのお店までどのように連れていくかなど各部署間で話し合い、協力し、あらゆる準備を整え、ようやくご利用者さんをお連れすることができたそうです。

同じ誕生日に生まれたご夫婦の願いは、「結婚式を挙げたい」でした。

 

何十年も連れ添ってきたふたりの最初でおそらく最後の結婚式です。職員さんは手作りでウェディングベールを用意し、サンホーム鶴間で行われた結婚式当日には神父さんも登場しました。ベールの横に添えてある花と同じくらい鮮やかな桃色に頬が色づいた綺麗なお嫁さんと、誇らしげな表情をされている花婿さん。そのときのおふたりの写真を拝見すると、その場に居なかった私でさえも幸せな気持ちになりました。認知症の症状が進み、思い出せないことが増えた花嫁さんも、ベールを手に乗せると途端に記憶の引きだしが見つかるのか、穏やかな表情を見せてくれると言います。


「うち(サンホーム鶴間)で大事にしているものは、目に見えないものばかりで・・・」と川上さんは笑います。

 

目に見えるものであれば、良いものはすぐに分かります。ところが、目に見えないものとなると、途端に分かりにくくなるのです。サンホーム鶴間はお世辞にも新しいとは言えない施設ですが、目をつぶってみると聞こえてくるのは、職員さんやご利用者さんを想うゆえの何とも人間らしい言葉ばかり。どれだけ最新の設備や物品を揃え、豪華絢爛な建物を構えても、そこで介護にあたるのは結局のところ人です。必要な物さえあれば、あとはそこで介護をする人によって、その施設はかたち作られ、そこに生きる人々の安心や安全、信頼、絆、誇り、哲学、ほほえみさえも決まってしまいます。

 

そうか、本当のしあわせは目に映らないのだ。そう気づいたとき、私の好きな女性歌手の歌詞がメロディーと共に浮かんできたのです。

 

本当のしあわせを さがしたときに

愛し愛されたいと考えるようになりました。

そしてあたしは君の強さも隠しがちな弱さも汲んで、

時の流れと空の色に何も望みはしない様に

素顔で泣いて笑う君にエナジィを燃やすだけなのです

本当のしあわせは目に映らずに

案外傍にあって気付かずにいたのですが…。

かじかむ指の求めるものが 見慣れたその手だったと知って、

あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、

全てを守るためなら少しくらいする苦労もいとわないのです。

時の流れと空の色に何も望みはしない様に

素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している故に

あたしは君のメロディーやその哲学や言葉、全てを守り通します。

君が其処に生きているという真実だけで 幸福なのです。

 

椎名林檎「幸福論」

採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人 大和清風会 高齢者介護福祉施設サンホーム鶴間
 サービス形態 特別養護老人ホーム
 勤務場所 神奈川県大和市西鶴間8-1-2
 最寄り駅・アクセス

小田急江ノ島線 鶴間駅より徒歩13分

募集職種 特養の介護職員
雇用形態 正職員
仕事内容 特別養護老人ホームに入所されている高齢の方々の生活全般を支援して頂く仕事です。職員一同、『明るく、楽しく、元気よく』をスローガンに頑張っている和気あいあいとした雰囲気の職場です。
給与

163,800円~178,100円/基本給(最終学歴により)  ※過去における福祉業務経験を加味します。

資格手当10,000円(介護福祉士)、5,000円(社会福祉士主事、実務者研修修了者)、夜勤手当6,000円/回、扶養手当最大21,000円、住宅手当18,000円(本人名義による契約のみ)

勤務時間

7:00~16:00、8:00~17:00、11:00~20:00 (うち休憩60分) 9:30~18:45(うち休憩75分) 夜勤16:30~翌9:30(休憩150分)

休日

年間105日

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス

6月12月の年2回合計4.0カ月支給見込み ※賞与の支給については、支給対象期間(6月:前年10/1~当年3/31、12月:当年4/1~9/30)により算定する。

期末調整手当:事業実績に応じ年度末に支給

夜勤 月平均5回程度
交通費 公共交通機関利用:上限25,000円(小田急江ノ島線鶴間駅まで) 車・自転車通勤:自宅からの距離2キロ以上の方に距離に応じ支給
社会保険

健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険

車通勤 マイカー通勤可能 駐車場あり
昇給 毎年4月1日(勤続年数1年以上の者が対象)
選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  
施設・事業所名称 社会福祉法人 大和清風会 居宅介護支援センターサンホーム鶴間
 サービス形態 訪問介護事業所
 勤務場所 神奈川県大和市西鶴間8-1-2
 最寄り駅・アクセス

小田急江ノ島線 鶴間駅より徒歩13分

募集職種 訪問介護のホームヘルパー
雇用形態 ①正職員②パート職員
仕事内容

ホームヘルパーとして、在宅で生活されているご高齢者の身体介護や食事の準備・買物・掃除など生活支援サービスを行います。

また、①についてはサービス提供責任者候補として、将来的にサービスの調整・請求業務・労務管理等を担っていただく場合があります。

※登録制ヘルパーではなくチームでサービス提供を行っていますので、職員一人ひとりがかかえる不安についても相談できる環境があります。 初任者研修終了後、現場での経験がなくても一から指導致しますので安心して働けます。

給与

①180,800円~190,250円/基本給(※過去における福祉業務経験を加味します) 、資格手当10,000円(介護福祉士)、5,000円(実務者研修修了者)、扶養手当最大21,000円、住宅手当18,000円(本人名義による契約のみ)

②時給1,000円~(※過去における福祉業務経験を加味します) 、介護福祉士:時給+50円、実務者研修終了:時給+30円

勤務時間

①8:45~17:30 (うち休憩60分)

②8:00~18:00の間の3時間以上(採用時の雇用契約内容による)

休日

①年間105日 ②採用時の雇用契約内容による

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス

①6月12月の年2回合計4.0カ月支給見込み

②6月12月の年2回合計1.5カ月支給

※賞与の支給については、支給対象期間(6月:前年10/1~当年3/31、12月:当年4/1~9/30)により算定する。

期末調整手当:事業実績に応じ年度末に支給

夜勤 なし
交通費

公共交通機関利用(小田急江ノ島線鶴間駅まで)

①上限25,000円/月  

②上限500円/日

車・自転車通勤:自宅からの距離2キロ以上の方に距離に応じ支給

社会保険

①健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険

②採用時の雇用契約状況により加入

車通勤 マイカー通勤可能 駐車場あり
昇給

①毎年4月1日(勤続年数1年以上の者が対象)

②年度初めの契約更新時

選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  

次のいずれかの方法でお問い合わせください

A.電話で問い合わせる

「介護仕事百景」事務局(042-710-8656)まで電話し、ご希望の施設・事業所をお伝えください。

B.ホームページから問い合わせる

以下の「お問い合わせフォーム」に必要事項を入力し、送信してください。



あなたにはこんな施設もおすすめ

代表だけではなく、ほとんどのスタッフが湘南ケアカレッジの卒業生で構成される、居宅・重度訪問介護、障害者(児)のガイドヘルプの事業所。

相模原、大和、町田

認知症のある高齢者だけではなく、スタッフも自宅のように過ごすグループホーム。利用者さんとゆっくりと話すのも介護職員の大切な仕事なのです。     

南町田、他