つながりを結ぶ場所【フォーシーズンズヴィラこもれび】

外門から100メートルほど続く庭には、ラベンダーが毎年咲き乱れ、その安らぎの香りが初夏を知らせてくれます。10年以上も前に蒔いた種が、絶えることなく季節を廻ります。

そして今日もまた、やってくる客人をその香りでもてなします。

 

 

フォーシーズンズヴィラこもれびは、横浜市青葉区にある特別養護老人ホーム。横浜線中山駅から、施設の送迎バスが運行しているため電車通勤も安心です。最寄りのバス停で降りると、豊かな木々の間を、右からも左からも、鳥のにぎやかなさえずりが響いてきます。広い土地にゆったりと構えた建物は、まるで別荘地にあるホテルのよう。

 

フォーシーズンズヴィラこもれびの隣には、同グループの介護老人保健施設フォーシーズンズヴィラいろどり、同法人の小規模多機能型居宅介護サービスフォーシーズンズヴィラそよかぜが並んでいます。


長く働き続ける人が多い理由

エントランスから入ると、週末の七夕に向けて、大人の背丈の3倍はありそうな大きな笹が、短冊を揺らして出迎えてくれました。

 

話をしてくれたのは、介護長の岡崎さん。昨年から介護長を務め、1階から3階まで各フロアーに所属する主任や15個あるユニットの各リーダー、そして介護職員を束ねています。

 

フォーシーズンズヴィラこもれびのオープンメンバーであり、同じように10年以上勤続している職員さんは30名を超すと言います。長く働き続ける職員さんが多い理由を、岡崎さんはこう話します。

 

「居心地が良いのではないでしょうか。私も含め上司や施設長が、『こうしなさい』と命令をしないので、職員一人ひとりが考えて、自分の想いを口にできていると思います」

 

 

とはいえ、岡崎さんが主任を務めていた頃には職員の離職が続き、「自分が至らないから人が辞めてしまうのではないか」と考えたこともあったそう。そこで職員一人ひとりと面談の機会を設け、どのような思いを持っているのか、困っていることはないか、ひたすら話を聞き続けたと言います。

 

親身になって話を聞いてもらえると胸が軽くなり、不満に思っていたことが消え、明日を前向きに迎えられる体験は誰にでもあるでしょう。


夏を存分に味わおう

施設の中を案内してもらうと、納涼祭に向けて壁や窓がお祭り仕様になっていました。

 

ふと廊下に出ると、車いすに乗ってお風呂に向かいながら、

「あら、もうお祭りかい?」と尋ねるご利用者さんに対し、

「そうですよ。今年は7月20日がお祭りです。何を食べたいですか?」と職員さんが答え、話を弾ませる姿を見かけました。


お祭りの日には、阿波踊りボランティアの方が軽快なリズムに乗せて伝統の踊りを披露し、この廊下を練り歩いてくれます。


ホールに組み上げたやぐらを囲み、色鮮やかな浴衣をまとった職員さんと一緒に、盆踊りの東京音頭に合わせて手をたたけば、「あ~夏がきた」と、季節を存分に味わえること間違いなしです。


優しく、柔らかい仕事

「〇〇さん、目は開きますか?」

湿らせた脱脂綿を手に、長身の身体をすっと屈ませご利用者さんと目線を合わせて、目ヤニが拭き取れたかどうか尋ねるのは介護職員の佐藤さん。

 

 

シャッターチャンスを求めて、介助中の佐藤さんの周りを20分ほどうろうろと歩き回っていると、常に笑顔が絶えることがないばかりか、その丁寧な仕事ぶりはすぐに分かります。

 

取材をしている私を前に、いつもしていないことをその場面だけしようとしても、その動きはどこかぎこちなく感じられるものです。そういった不自然さがまったく感じられず、ひとつの声かけやご利用者さんへの触れ方などは細部に至るまで優しく、柔らかく映りました。

 

あえて言葉にせずとも、「介護の仕事の楽しさ」を体現している姿が眩しく感じました。


佐藤さんのうしろにはぴたりと研修中の新人職員さんがつき、熱心にメモをとりながら追いかけていました。

 

こんなに素晴らしい先輩職員さんに1対1で教わりながら、介護の世界を進んでいけることが羨ましくてなりません。


ご利用者さんと家族が望む生活を叶えたい

今年の春から施設長を務める藤野さんも、フォーシーズンズヴィラこもれびをオープンから支えてきたひとりです。ケアマネジャーとして、ご利用者さんの望む生活のために汗を流してきました。

 

特別養護老人ホームにおけるケアマネジャーの仕事は、『とにかく話をすること』と藤野さんは言います。

 

特別養護老人ホームでのご利用者さんの暮らしは、ケアプランを元に実現していきます。そのため施設への入所にあたってはまず、ご利用者さん本人とご家族の意向を丹念に確認し、どんな生活を送りたいのかニーズを引き出すことから始まります。もちろん一人ひとり違った人間なので、望む生活も様々です。

 

いつもお化粧を欠かさず、ファッションにも気を付けていたというご利用者さんの場合、ご家族から「洋服は1シーズンで捨てる気持ちでかまわないから、きちんとした身だしなみで過ごしてもらいたい」とお願いされることもあるようです。ニーズにはご利用者さんの生き様が色濃く映し出されます。

 

そのニーズを元に、ご利用者さんの送りたいであろう生活をケアマネジャーが文書化したものがケアプランとなり、ご利用者さんとご家族から承認の印をいただき、施設での生活が始まります。

 

とはいえ、親を想うが故に施設に向ける期待が大きくなってしまうご家族もいます。

「ご家族の希望が10だった場合、『施設では1から4までできます』と、できることと協力がないと難しいことを明らかにしてお伝えします。なんでもかんでも『できます』と返事をしてしまうと、職員さんへの負担は大きくなり結果として継続できないことがあってはご利用者さんの利益にはなりません」

 

「Yes」と伝えるのは簡単ですが、その反対はきちんと関係性を築いた相手でないと、わだかまりを生んでしまいます。その関係性を結ぶためにも、とにかく話をすることが基本の“キ”なのです。

 

そして、施設に入所したあとも話を続けていくことは欠かせません。

 

「ご利用者さんが欲しいと言っているものや、食べたがっているものがあると職員さんから相談を受けても、それが施設で用意できないものであればご家族にお願いする場面が出てきます。そしてゆくゆく、いよいよお看取りの時期が来た時、ご利用者さんの最期のお願いを叶えるためにもご家族とお話ができる関係でいることが大切なのです」

 

ご家族と普段から話をしてケアマネジャーや施設との関係性が築けていると、スムーズに要望が解決できます。その関係性に日々、現場で介護に携わる職員さんも助けられているのです。

 

「とはいっても、職員さんは『家族と話してばかりだ』と思っていたかもしれません。ケアプランから逸れているようなことを見つけたら、『それは違うんじゃないかな』と、臆することなく伝えてもきました」

 

「ケアプランを作るって、ご利用者さんが最期の時間をどう過ごすかというレールをひくことだと思うのです。とても責任が重いことです」

 

“重い”という言葉に込められた葛藤が、ずしんと私の心に響きました。

 

今までは赤の他人だった方と何かのご縁で巡り会い、その方の人生に入り、道を作っていく。その手ひとつで、ひとりの人間の人生を操れてしまうという責任を引き受けるのです。ケアプランは単なる書類ではなく、ご利用者さんの生き様、ご家族の想いや願いを形にしたものです。

 

施設で働くいち職員でありながらも、ケアマネジャーはご利用者さんやご家族の一番身近にいるレールの守り人に見えます。


羊羹を買いに行かなくなった日

フォーシーズンズヴィラこもれびで藤野さんがこれまでケアマネジャーとして担当し、その最期を見送ってきたご利用者さんは158名。藤野さんの机の引き出しには、全員のスナップ写真がおさめられたアルバムが入っています。

 

写真をめくり始めると、思い出話が溢れてきます。

 

「〇〇さん(男性のご利用者さん)は、施設の食事を一切召し上がらない方でした。羊羹だけは食べるというので、私と娘さんで手分けしてせっせと羊羹を買い続けました。来る日も、来る日も。フォーシーズンズヴィラこもれびでお看取りしてお見送りした日、ふと思ったのです。『あ、今日は羊羹を買いに行かなくても良いのだ』と。羊羹を買いに行かないことが寂しかったことを覚えています」

 

その人のためにかけた時間や想いがあるからこそ、それがぽかりと失われたときに、喪失感はやってきます。懸命に心を砕かなければ、そんなことは思いもしないでしょう。

 

「いなくなってしまった後も、ご家族と笑い話ができるようにするというのが僕の裏の目標です」と目を輝かせたかと思うと、

 

「その方の娘さんが後日施設に来てくれたときには、羊羹の話で盛り上がりましたよ。そして、『これを職員さんに』と、8センチくらいの分厚い封筒に入った手紙の束を手渡してくれました。お父さまに関わっていた職員さん1人ひとりに宛てたお礼のお手紙でした」

 

羊羹をお土産にお父さまを見舞い続けた娘さんは、職員さんがお父さまをひとりの人間として考えていることに、きっと気付いていたのでしょう。だからこそ、娘さんも職員さん1人ひとりを介護職員とひと括りにせず、名前を憶えて、言葉を交わし、感謝を述べてくれたのです。


つながりは続いていく

「ちょうど近くを通ったから、藤野さんや職員さんの顔を見て帰ろうと思って来たのよ」

 

何年も前に見送った方のご家族が、馴染みの顔を見に立ち寄り、お世話になった家族の笑い話に花を咲かせてゆくことも珍しいことではないそうです。

 

そして、またとあるご家族とは、暑中見舞いなど手紙でのやりとりが続いているとこの日一番の笑顔を浮かべて藤野さんは語ります。

 

親やご利用者さんを想い、ともに笑い、喜び、悩み、涙した日々がそのつながりを強くしていくのです。だから、たとえフォーシーズンズヴィラこもれびで暮らした人がいなくなっても、その人を中心として結んだつながりは消えません。

 

毎年花開くラベンダーのように、ずっとずっとこの先もつながりは続いてゆくのです。


採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人白鳳会 特別養護老人ホームフォーシーズンズヴィラこもれび
 サービス形態 特別養護老人ホーム
 勤務場所 神奈川県横浜市緑区三保町881-2
 最寄り駅・アクセス 横浜線中山駅から送迎バス
募集職種 介護職員
雇用形態 ①正社員 ②パート職員
仕事内容 ユニット型の特別養護老人ホームに入所されているご利用者さんの生活全般の介助です。1フロアーにつきユニットは5つあり、夜勤は3人体制と充実しています。
給与

①基本給170,000円~200,000円(特殊業務手当含む)、地域手当40,000円/月(処遇改善加算含む)、ユニホーム手当1,200円/月、夜勤手当7,000円/回、※R1.10より介護職員等特定処遇改善加算による手当加算予定

②1,085円~1,325円/時

勤務時間

①9:00~18:00、7:30~16:30、10:30~19:30、17:30~翌10:30

②9:00~18:00

休日

①シフト制(1か月あたり9日休・2月のみ8日他休暇等合わせて年間112日)

②シフト制

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス ①年2回合計3.4カ月 ②なし
夜勤

①月平均4~5回

交通費 実費24,500円/月まで
社会保険

①雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金、退職金共済

②雇用保険、労災保険

車通勤
昇給

①あり(2018年度実績1,000円~2,000円/月)

②なし

選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  


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