かしこまらずに、ゆるやかに【富士見園】

「おはよう」

白髪の混じるご利用者さんが、エレベータから出てきた牧内さんに向けて、声の出どころを伝えようと手を振り、呼び止めます。ポロシャツ姿の牧内さんは足を止め、

「おはよう、元気そうだね」

 

と手を振り返します。特別養護老人ホーム富士見園の日常の一コマです。

馴染みの顔に囲まれて

丘の上に見えるのは、左が特別養護老人ホーム富士見園、右が介護老人保健施設ナーシングピア横浜。

 

特別養護老人ホームの建物の中には、ケアハウスグリーンヴィラ富士見も併設されています。このように3つの異なる介護サービスを同じ敷地内に構えているのは、横浜市でも他に類がないそうです。建設計画を練る中で、「ご利用者さんの生活の場所を重点に考えると、この形がベストだった」と理事長は話していたそう。

 

1人暮らしを続けていくことが難しくなっても、ときどき誰かの適切な手助けがあれば良い。日常生活を続けられるような方であれば、ケアハウスを利用してもらう。病院に入院するなどしてリハビリが必要になったときは、退院後に老人保健施設(以下、老健)のナーシングピア横浜で身体の機能を回復させる。そして、常時介護が必要になった時には、特別養護老人ホーム富士見園というように、元気だった頃から最期まで、この馴染みの場所で馴染みの顔に囲まれて過ごすことができるのです。

 

 

それはご利用者さんに限ったことではなく、職員さんの異動の希望にも応えやすい体制でもあります。

 

たとえばお子さんがまだ小さいときは、短い時間で働きやすい部署で働いてもらい、成長に伴って家を空ける時間を増やせるようになってきたら、もっと多く働ける部署へ異動するなど、生活スタイルに合った働き方を選択できるのです。


皆さんが食事を楽しめるように

特別養護老人ホーム富士見園の中を案内してもらいました。昼食の時間を前に、談話室からエレベーターホールにまで、ご利用者さんや職員さんたちが集まり、活気づいています。

 

居室で横になっている方に起きてもらう介助を終えた介護職員の廣部さんは、取材する私の質問に答えながらも、手を綺麗に洗い、食事を載せた配膳車に近づいて行きました。

 

 

「バタバタしてしまってすみませんね」と、手を止めて話せないことを謝りながら、新人の職員さんへ食事を配る時の注意などを短い言葉で分かりやすく伝える姿には、冷静さが見て取れました。


廣部さんがご利用者さんに食事を配っているのを見ていると、気づいたことが3つありました。

 

1つ目は、手前に座るご利用者さんなどから順番にではなく、座っている場所とは不規則に配っていること。

 

2つ目は、ご利用者さんによってお椀やお皿に載せてあるふたを取ってから配膳する人もいれば、取らないままで配膳する人もいたり、人によっては小さな器に移し替えたりしていること。

 

そして3つ目は、待たせてしまう方へ一言かけて動いていることでした。

 

「早く食べ終わり、早くベッドで横になりたいと思うご利用者さんもいますが、ゆっくりと召し上がる方の介助で職員の手が離せないときもあります。そこを改善しようと、配る順番等を工夫しています」

 

4人ほどが集まるテーブルに職員一人が付き、自分では手を動かして食べられない方の介助をしつつ、他の3人の様子を見守っています。見守ると言っても、本当に見ているだけではありません。途中で食事を食べていることが分からなくなり、手が止まってしまう方や、食事中に眠気に誘われてしまう方などに対して、職員が声をかけたり、スプーンを握り直してもらったりする必要が出てきます。

 

そんな状況の中、他のご利用者さんに呼ばれて居室などに向かい、その場を離れる時間を少しでもつくるために、またご利用者さん皆さんに、安全に楽しく食事を召し上がってもらうためにも、配膳から工夫しなければいけません。

 

ご利用者さんによって、ふたを取ったり取らなかったりするのも、その方の出来ることに合わせた配膳の仕方です。自分でできる方には、「今日の昼食はなんだろう」とふたを開ける前のわくわく感と、ふたを開けた時にふわっと広がる湯気や香りを自分で開けて楽しんでもらいます。何でもやって差し上げることが、正解ではないのです。

 

そして、元気がなさそうな方に気づいたら、「器を小さくしておいたよ」と持ちやすい器に移し替えると、「ありがとうね」と、食がスイスイと進むこともあるのです。

 

そして、配膳している人だけでなく、そのとなりにいる人への声かけも忘れません。

 

「今、用意しているので、持ってきますね」と、お待たせしてしまう方へのひと言があるだけで、待つ方も気持ちよく待っていられます。「あなたのことを忘れていませんよ」というメッセージにもなって伝わります。

 

 

どれも細かな工夫や気遣いですが、決して多いとは言えない数の職員の手でご利用者さんの安全を守ることを考えると、どれも欠けてはならない大事なピースになっています。


子どもの成長に合わせて

隣に立つ老人保健施設ナーシングピア横浜にも案内してもらいました。赤いエプロンの介護職員さんもさまざまな働き方で長く働いている職員さんのひとりです。

 

お子さんの出産で一度お休みし、少しお子さんが大きくなってきた頃から昼間に短い時間だけ働く勤務形態で復職し、そこからお子さんの成長や家族の状況に合わせて勤務時間をさらに増やしてきました。正職員として働く今は、ご利用者さんのことも良く知っている彼女を頼り、「これはどうしましょうか」と、他の職員から声をかけられているのをよく見かけました。

 

「働く時間の融通を聞いてもらえるのは、助かりましたね。だから続けてこられました」

と、彼女は話します。

 


 

生活スタイルが変わったことが離職の原因であれば、それほどもったいないことはありません。記録用紙やデータにはないような、ご利用者さん1人ひとりの個性をよく理解した職員さんが働き続けてくれるのであれば、働く時間や部署を職員さんの働きやすいものへと合わせて長く働き続けてもらう方が、ご利用者さんにとっても、一緒に働く同僚にとっても良いのです。


もっと身近な存在として

ナーシングピア横浜の事務主任の加藤さんはこう話します。

 

「“自由がある”というのが、法人の特徴ですね。施設ごとで多少の違いはあっても、全体として自由度が高いと思います。その一例が服装です。ナーシングピア横浜では事務職員の服装に決まりは特にありません。派手だったり、危なかったりしなければ問題ないのです。介護職員さんも、そのゆるやかさが気にいって働き続けてくれている方が多いです」

 

そして、特別養護老人ホーム富士見園の統括係長の牧内さんはこうも話します。

 

「富士見園は、良い意味でくだけていると思います。“お客様”としてご利用者さんに接しているというより、もっと身近な存在としてご利用者さんを考えている職員さんが多いです」

 

 

様々な施設がある中で、そこで働く介護職員もさまざまな考えを持っているはずです。お客様と呼ぶのが正しいのかどうかではなく、そこで働いているときに「何かちがうな」と違和感を覚えたり、介護の仕事に踏み出そうとした時に「お客様って呼ぶなんて、なんだかかしこまりすぎじゃないのかな」と感じるのであれば、その考えに素直になって選んでみていいはずです。

 

かしこまらずに、ゆるやかにかかわれる場所がここにあります。冒頭のあの写真のように、笑いながら、手を振り合うご利用者さんと職員がそこにいるのです。


採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人明友会 特別養護老人ホーム富士見園
 サービス形態 特別養護老人ホーム
 勤務場所 横浜市旭区南本宿町125-1
 最寄り駅・アクセス 相鉄線二俣川駅からバス 「桐が作入口」降車徒歩1分
募集職種 介護職
雇用形態 正職員
仕事内容

併設でケアハウス、すぐとなりには老人保健施設もあるので、スキルアップや生活スタイルに合わせた働き方が選びやすい施設です。1勤務7.5時間と短めな勤務体制です。

給与

182,700円~248,220円(内基本給145,000円~197,000円、特殊手当・調整手当含む)

介護福祉士の場合:210,420円~264.600円(内基本給167,000円~210,000円、特殊手当・調整手当含む)、

 

各種手当:特殊手当23,000円~31,520円(基本給の16%)、調整手当14,500円~19,700円(基本給の10%)、介護福祉士手当2,000円、扶養手当、住宅手当、夜勤手当7,000円

勤務時間 7:00~15:30、9:00~17:30、11:00~19:30、17:00~翌9:30
休日

週休二日制(年間休日112日)/span>

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス 年3回合計3カ月分
夜勤 月平均4~5回
交通費 実費(上限なし)
社会保険 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金、退職金共済
車通勤 可(無料駐車場あり)
昇給 あり
選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  


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職員さんの居心地の良さは、そのままご利用者さんに伝わります。いい関係からいい介護は生まれるのです。

町田、鶴川他

ご利用者さんも職員も多種多様であるからこそ、どの人にとっても居心地の良い場所が生まれるのです。

 二俣川・横浜