雪にも負けず

22日に関東にやってきた大雪は、私に4年前の悪夢を思い出させてくれました。あの日、特別養護老人ホームで働いていた私が20時過ぎに施設を出ようとすると、1メートル先も見えないくらいの吹雪になっていて、膝まで雪に埋もれながら、必死に歩いて家まで帰ったのでした。

 

施設があるのは山に囲まれた地域だったこともあり、翌日の勤務予定の職員もたどり着けない可能性も出てきてしまっていました。勤務が終わった職員も、とうに車高の3分の1は雪に埋まってしまった車をぼうぜんと眺め、泣く泣く施設に泊まり込み、翌朝の交代職員が来るのを待つことにもなっていました。24時間、365日絶やすことが出来ない仕事とはこういうことなんだと改めて感じたのを覚えています。

 

4年前ほどではなくとも、久しぶりに積もった雪に電車が止まってしまうのではないかと帰宅を急ぐ人も多かったはずです。私が通勤でお世話になっている横浜線も途中、事故や故障で止まってしまう時間帯もあったようですが、復旧して走り続けていてくれました。

 

電車に乗ると、運行ダイヤが乱れてしまったことを謝罪するアナウンスが繰り返し流されていました。どうしても公共交通機関は時間通りに運行するのが、当たり前かのように感じてしまいますが、その滞りのなさは電車を動かす全ての人々の努力のおかげなのだとありがたい気持ちになりました。

 

いつもより目的地まで時間はかかってしまっても、安全に送り届けてくれる人がいるから、仕事に励み、自宅まで無事に帰る事ができるのです。

 

毎日毎日遅れて到着したり、安全にたどり着けるのか自信が持てないようなものではなく、

当たり前だと思わせてくれる安心が輝いて見えました。雪にも負けず、安心をのせて走ってくれてありがとうございました。介護の仕事と同じく、24時間、365日絶やすことができない仕事に携わる全ての人々に、感謝します。

(影山)