ビオラの森【ビオラ三保】

ゴールデンウィークのお出かけ日和まであと少しという日頃、バスを降り、目的地はまだかまだかと息を切らしながら坂道を登りきった丘の上に、丁寧に手入れされた色とりどりのチューリップやパンジーの花々が私を出迎えてくれました。

 

ひと息ついて、もう少し眺めていたい気持ちを抑えながらも進むと、開放的な喫煙スペースで心地よい風に吹かれながら煙草を吸っている男性がいました。ご利用者さんと面会に来られたご家族との団らんでしょうか。


森の中にある山小屋

施設の入り口には薪(まき)が積んであります。細いものから、年輪がはっきりと見えるような太いものまで。一体、これだけの薪を何に使うのでしょうか。想像を巡らせながら中に入っていくと、使い込まれた様子の薪ストーブと、風合いのある革張りのソファーの応接セットが目に入ります。


ここは特別養護老人ホームビオラ三保。コンセプトは「森の中にある山小屋」です。ここが横浜だとは到底思えない、まるでリゾート避暑地に見られるペンションのよう。建物を建てた後に作られた自然ではなく、自然の中に立てさせてもらった施設と感じさせるほど、周囲の景色に溶け込んでいます。


施設長の畑中さんと、介護主任の増澤さんが待っていてくださいました。初めて目の前にする薪ストーブに私は興味津々になってしまい、その話題から取材はスタートしました。

 

この薪ストーブは飾り物ではなく、冬には実際に薪をくべて使っています。電気ストーブなどに比べて温かく、ご利用者さんも暖を取りに来てくださるのだそうです。自然豊かな土地に施設があるため、「周りに木は山ほどありますからね」と冗談を交えつつ、「手入れは大変ですけどね・・・」と、介護以外の部分にも手間を惜しまない姿勢が垣間見えました。


「幸せ」とは?

ビオラ三保では、「幸せの創造」が理念に掲げられています。「幸せ」とひと言で言っても、ひとり一人違った幸せの価値観を持っているはずです。

 

たとえば、車や宝石などの欲しいモノが手に入れられることで感じる「幸せ」。普通に思える毎日の暮らしが送れる安心から感じる「幸せ」。食べたいものを食べられることで感じる「幸せ」。

 

ビオラ三保が考える「幸せ」とは、介護をサービスとしてとらえ、ご利用者さんの求めるサービスを介護職員が提供することで、ご利用者さんに幸せになってもらうことができ、さらにはサービスを提供した介護職員自身も幸せになれる。ご利用者さんを中心として、ご家族、介護職、医療職、相談職など、ケアに関わる皆に「幸せ」の良い伝染を起こすということでしょうか。


根拠をもって一つひとつの介助を

介護を業務としての流れ作業ではなく、ご利用者さんのことをよく理解したうえで介助にあたります。

 

たとえば、食事に関する介助であるならば、その方の健康・栄養状態、嚥下機能、食べ物の好み、心身の状況を把握し、何に気を付けながら介助にあたるべきなのか、介護の専門的知識による根拠をもとに選び出した、その方ひとりひとりに合った介助方法で、食事を召し上がっていただきます。

 

食事を介助するというワンシーンには、その前にプロセスがしっかりとあり、そのプロセスこそがビオラ三保の介護の重要なポイントです。

 

「ご利用者さんへの声かけも、その方の情報や状態を把握し、理解した上での目線を持つようにしています」と増澤さんが答えてくださったように、ただ近い距離感で親しみやすい声かけをするのではなく、その方に合わせた声かけをすることが大事なのです。


“活かす”ケアとガンダム

法人内の「Re:LIFE研究所」と呼ばれる組織では、ご利用者さんの生活を把握するプロである介護士と、身体機能を把握するプロである理学療法士がタッグを組み、従来の介護技術にリハビリテーションの概念を取り入れた介助方法を探し出します。

 

ご利用者さんの、残存機能を“活かす”介助を行うことで、ご利用者さんが自ら身体を動かす機会を増やし、身体機能の衰えを予防していくことを目的としています。手すりなどの環境整備を行い、残っている身体の能力に合った動作方法を工夫することによって介護職員の介助量も減少します。

 

このガンダムの着ぐるみは、職員さんの手作り。

 

人が着て動くことができるように関節部の中は布でできており、マニアであれば欲しくなってしまうのではないかと思うほど、精巧に作られています。骨組みは職員さんが作り、外装はご利用者さんに紙をのりで貼りつけてもらいました。

 

5月5日の端午の節句に、職員さんがガンダムの着ぐるみを装着し、ご利用者さんには新聞紙で折った兜(かぶと)を被ってもらい、ガンダムに向かってボールを投げる合戦ごっこをする予定です。

 

こんなガンダムが向こうから歩いてきたら、普段は眠たそうにしているご利用者さんも目を見開いてしまうでしょうね。「やってみようかな」「面白そうだな」とご利用者さんの心と身体を動かすのは、職員さんの「一緒に楽しみたい」「面白いことをやりたい」という情熱です。


看護師が夜間にいてくれる安心感

18時頃から朝の8時頃までの時間帯に、看護師がいない特別養護老人ホームは多いはずです。

 

そういった施設ではオンコール体制という、ご利用者さんの様子が変化したときにのみ、介護士の判断のもと、当番の看護師に電話をして報告し、指示を仰ぐというシステムをとっています。

 

日中に比べて少ない職員数で多くのご利用者さんを見ることになるだけではなく、自分が必ずご利用者さんの変化に気付かなければならないのだという責任の重さは、夜勤を始める介護職員にとっては一番といってもいいほどの不安要素になります。

 

私も初めて夜勤を任された夜は、「ご利用者さんの様子が変わってしまったらどうしよう」、「トイレに起きてきた際に転んでしまったらどうしよう」と、どれだけ分厚くわかりやすい緊急時のマニュアルをもってしても、不安で頭の中は一杯になってしまい、朝が来るのがあんなに待ち遠しいと感じたことは今までありませんでした。

 

そこでビオラ三保(同法人のビオラ市ヶ尾も)では看護師を夜間も配置することで、介護職がなにかご利用者さんの変化を見つけたときには、すぐに看護師に見てもらうことができるようにしました。ご利用者さんはもちろんのこと、介護職員も安心して朝を迎えることができるのです。


一緒に組み立てたい

施設長の畑中さんにも写真に映っていただきたいとお願いしたところ、「私ではなく職員をクローズアップしてください」とやんわり断られました。

 

それでもどうしても欲しいのですと懇願し、ようやく写真を撮らせてもらうことができました。それは単なる謙遜や遠慮ではなく、実際にご利用者さんに直接触れて、介助をしている職員さんへの一種の感謝の気持ちなのだと感じました。

 

「このユニットは今忙しい状況なので、職員さんに負担が多くかかっていて、表情が暗いかもしれません」(実際にはそんなことはまったく感じませんでした)と、職員さんの状況をしっかりと見ているからこそ出てくる言葉です。

 

職員さんの負担をどうしたら軽減できるかとシフトの多様化を考えているとの話を伺った際も、「入浴だけを専門とするパートさんだと、来る日も来る日も入浴介助になってしまって、大きな負担になるので専門パートさんはお願いしません」、「一番職員の手がほしいと感じるのは食事の時間帯です」、「今働いてくれている職員さんのシフトを圧迫しない形を探したい」など、どれも職員さん目線でした。

 

どれだけ取り繕っても、話してくださる言葉の端々に、その方の想いは現れてくるものです。「職員さんと一緒に施設を組み立てていきたいです」という誓いに似た最後の言葉からは、介護に対する熱い想いが伝わってきました。


採用情報

施設・事業所名称 社会福祉法人中川徳生会 ビオラ三保
 サービス形態 特別養護老人ホーム
 勤務場所 神奈川県横浜市緑区三保町350
 最寄り駅・アクセス JR横浜線十日市場駅よりバス若葉台中央行、郵便局前にて下車、徒歩4分
募集職種 介護職員
雇用形態 常勤職員
仕事内容 特別養護老人ホームでのご利用者さんへの生活介護全般(入浴、食事、排泄、就寝)、レクリエーションやイベントなどの運営。
給与

基本給 175,000円~220,000円(年齢、経験により優遇有) 処遇改善加算30,000円/月

資格手当5,000円(介護福祉士、介護支援専門員、管理栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士)

深夜業務手当

勤務時間 7:00~16:00、13:00~22:00、8:30~17:30、 22:00~翌7:00
休日

年間休日120日、月9日休み(2月は8日) 夏季休暇2日、冬季休暇3日、リフレッシュ休暇1日(誕生日月)

資格 初任者研修修了者以上
ボーナス 賞与3.5~4カ月/年(昨年度実績、但し入職1年以内の支給は控除あり)
夜勤

月4回

交通費 実費支給45,000円まで
社会保険 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
車通勤 可(無料駐車場有)
昇給 前年度実績あり
選考基準・プロセス 面接にお越しください
見学 OK
その他  


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就職相談担当 影山
就職相談担当 影山


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ふらりと客人が施設に立ち寄り、かつてここで暮らした親の思い出話に花を咲かせるのも珍しいことではありません。ご利用者さんとその家族の望む生活がここにあります。

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