スポンジブラシを歯茎でぐっと抑えて離さないご利用者さんのいたずらに、介護職員の山縣(やまがた)さんの顔には思わず笑みがこぼれます。チャーミングな彼女は口の中がさっぱりすると、しわが深く刻まれた掌をすり合わせ、「ありがとうね」と深く感謝を述べ、それを見て山縣さんはまた目尻を下げて笑います。
若さに宿るものではない、その人の在り方から現れる可愛らしさに触れる癒しや、深すぎる感謝の言葉から与えられる力は計り知れません。
特別養護老人ホーム芙蓉園は、JR横浜線・小田急線町田駅からバスに乗り、町田街道沿いの南町谷原バス停で降り、大通りから1本裏手に入ったところにあります。東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅からも歩いて6分ほどという、さまざまなアクセスができるエリアです。
フロアーを案内してもらうと、ちょうど昼食の時間帯。1フロアーに60名入居されているご利用者さんたちが一同に食堂へと集まり、大賑わいでした。
「前職は、人と関わることがほとんどない職業でした。直接誰かに『ありがとう』と言われる仕事がしてみたいと思い、サービス業の合同就職説明会に出向き、そこで芙蓉園の説明をしていた担当者の表情に惹かれて面接を希望しました」と、介護の仕事に飛び込んだいきさつを語る、初々しい職員さんがいました。
「介護の仕事を始めてみて、今は知らないことばかりで、覚えることがたくさんあります。教えてくださる先輩職員さんもそれぞれに違ったやり方を見せてくれるので、勉強になっています」
頼りないかのように見えたその職員さんの言葉に、私は思わずハッとしました。新人職員さんの困りごととして、「職員さんによって違う介助方法を教えてくれるので、どれを覚えたらいいのか分からない」というのをよく耳にします。けれども、その職員さんの視点は「職員さんによって違うやり方を教えてくれるから、多くの方法が学べる」というプラスの側面から捉えたものでした。
正しさをどれかひとつに絞るのではなく、教えてもらえることを素直に受け入れようとする姿勢と吸収力があれば、たとえ習得するまでに時間はかかったとしても、長い目で見ると得るものは大きく、ゆくゆくは頼もしい介護士になるはずです。頑張る新人職員さんたちを応援したくなりました。
芙蓉園には教育トレーナーという研修等を担当する専門職員さんが2人います。多くの介護施設では、介護主任等のリーダーがチームをまとめる業務と兼務して研修等も行っていますが、芙蓉園ではフロアー等の主任とは別に教育を担当する職員さんがいます。
紺の上着の主任教育トレーナーの山縣さんと、ピンクのポロシャツの小山さん。2人はともに芙蓉園で介護職として長く勤め、この春から教育トレーナーとして職員さんの研修を担当しています。
芙蓉園の新人教育では、3カ月ほどかけて30コマに及ぶ研修を行います。その内容は、社会福祉法人芙蓉会の方針やさまざまな介護サービスの説明などに始まり、食事や排泄などにまつわる介助技術と幅広く網羅しています。
配属された各フロアーでは、そこにいるご利用者さんに応じた介助を先輩職員さんから教わり、基礎の上に応用を重ねていく研修体制になっています。初任者研修を修了された方でも、一度復習をしてから現場へと入っていくことができるので、ブランクがある方にも安心です。
さらに、教える側のフロアーの職員さんも、基本的なことを1から教える必要がないため、ご利用者さん一人ひとりを介助する際に気を付けた方がいいことなどを重点的に伝えることができます。
新人職員向けの研修が充実していく中、「私も教わりたいです」と、先輩職員からも研修を受けたいという声が聞こえてくるようになりました。
そもそも教育トレーナー制度が始まったのは、芙蓉園全体の介護技術の向上が目的でした。学ぶ機会ができたことで、さらに良い介護を目指したいという想いが、以前にも増して職員の間に広がり始めています。
「小山さんは芙蓉園で20年以上勤めている大先輩です」と山縣さんが教えてくれると、「教育トレーナーになったのは今年からなので、よろしくお願いします」と小山さんは謙遜していました。
山縣さんはこう続けます。「これまでフロアーで主任を務めてこられたその技術や知識を、今度は新人教育で活かしてもらえるのだと思うと心強いです」その言葉を聞いて、少し小山さんの表情も和んでいました。
自分にはない部分がある人の良さを認め、それを具体的に言葉にし、相手が喜ぶ形で伝えられることも素敵だと思えます。良さを認め合える2人の姿を見て育っていく、次の世代の職員さんたちにも想いを馳せてしまいます。
総務課で働く浦下さん。Yシャツにネクタイ姿からは想像がつきませんが、以前は介護職員として芙蓉園で働いていました。
「ある時、『介護の現場を知っている人が事務職になった方がいい』と誘いを受け、異動になりました。経理や簿記についてまったく知らなかったので、もう無我夢中でしたね」
当時をそう振り返る浦下さん。
総務課の仕事について尋ねると、
「総務課は何でも屋です。施設に入ってくるお金の計算もしますし、フロアーでパソコンが動かなくなったと聞けば直しに行きますし、新しい職員さんが入職に至るまでの面接やロッカー、制服等の準備も仕事のうちです」
と施設のさまざまな場面での仕事について教えてくれました。
「実は、柿澤さんに合同就職説明会で芙蓉園の説明をしたのも私でした。彼女は緊張しすぎて、話したのが誰だったのか覚えていないようですが…(笑)」
実際に介護の現場に身を置き働いてきた浦下さんだからこそ、その経験から人からいただく「ありがとう」という感謝の素晴らしさを、彼女にしっかりと伝えることができたのでしょう。
「新しく働いてくれる職員さんには、介護の仕事を長く続けてもらいたいと思っています。事務方は縁の下の力持ちのようなものですからね。介護の現場で働いていた時よりも直接『ありがとう』と言葉を受け取ることは少なくなりました。けれどたまに聞く『ありがとう』だから、嬉しいです」
介助に必要な物品ひとつにしても、誰かが注文や入金をしてくれたおかげで介護職員の手に渡るのです。滞りなく進んでいることの裏には、それを支えてくれている人が必ずいます。
「ありがとう」は、ご利用者さんと職員さんだけでなく、関わるすべての人がつながる言葉です。
「教えてくれてありがとう」、「お手本になってくれてありがとう」、「困っていたことを助けてくれてありがとう」。そう言葉を掛け合うことで、支え合って働くことができます。そこには相手の良さを認める気持ちがしっかりと含まれているのです。
働く人の声
前向きな方はぜひ芙蓉園へ
介護は物を提供しているのではなく、その人そのものをご利用者さんに提供している仕事だと思っています。さまざまな人と関わり働く中で、人として成長していけるような、前向きな方にぜひ芙蓉園に来ていただきたいです。
芙蓉園園長 内山さん
落ち着いて、丁寧かつ安心、安楽な介護を
ご利用者さんを笑わせることができたり、逆にご利用者さんが私を笑わせてくれたりすると和み、働いていて楽しいと感じます。ご利用者さんからの要望が重なり、つい焦ってしまう場面でも落ち着いて、丁寧かつ安心、安楽な介護ができるように、これからも心がけていきたいです。
介護職員 加藤さん
初任者研修118期生
まるで自身の祖父母のように思えてくる
障害のある子どもの支援の仕事から転職しました。ご利用者さんが人生で得てきた経験から、生きる上でのアドバイスをいただいたりすると、ありがたいなと感じます。子どもと関わるときにはなかった、そうした関わりも増えてきて、今はご利用者さんがまるで自身の祖父母のように思えています。
介護職員 多賀谷さん
世代間ギャップが面白いと感じる
祖父母と過ごした経験があまりないため、ご利用者さんとお話しするなかで、昔の会社の話や民謡などこれまで私が知らなかったことを教わると、世代間ギャップを感じ、とても面白いなと思います。まずは介護福祉士になることが一歩だと思いますので、その目標に向けて頑張っていきたいです。
介護職員 伊藤さん
初任者研修118期生
【正社員】 社会福祉法人芙蓉会 特別養護老人ホーム芙蓉園
年収例 3,455,720~4,337,360円(初任者研修修了時の場合) 3,551,784~4,337,360円(経験3年介護福祉士の場合)
月収例 239,400~295,200円(初任者研修修了時の場合) 内訳【基本給153,400~209,200円、処遇改善手当11,000円、 特定処遇改善手当15,000円、夜勤手当12,000円/回(月平均5回)】 他手当:住宅手当20,000円(賃貸住宅世帯主)、 扶養手当10,000円(扶養配偶者)5,000~6,000円(子供) 賞与:合計3.8カ月年2回支給
245,480~295,200円(経験3年介護福祉士の場合) 内訳【基本給159,480~209,200円、処遇改善手当11,000円、 特定処遇改善手当15,000円、夜勤手当12,000円/回(月平均5回)】 他手当:資格手当5,000円(介護支援専門員)、 住宅手当20,000円(賃貸住宅世帯主)、 扶養手当10,000円(扶養配偶者)5,000~6,000円(子供) 賞与:合計3.8カ月年2回支給
待遇 ・交通費支給(実費50,000円/月まで) ・社会保険(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金、退職金共済) ・車、バイク通勤(車通勤応相談、駐車場無料) ・昇給あり(約1,500円~約2,500円/基本給月額) ・入社2年目よりリフレッシュ休暇制度有7連休 ・制服貸与 ・特別有給休暇制度 ・慶弔金規程 ・昼食弁当補助制度有(自己負担1食200円) ・懇親会費用負担制度 ・職員紹介制度
勤務地 東京都町田市南町田5-16-1
アクセス 東急田園都市線 南町田グランベリーパーク駅北口徒歩6分
勤務時間 7:00~16:00、10:30~19:30、16:30~翌10:30、 その他勤務有(休憩60分、夜勤時休憩120分)
休日 年間休日118日
応募資格 介護職員初任者研修修了以上
公式ホームページ |
【パート】 社会福祉法人芙蓉会 特別養護老人ホーム芙蓉園
時給例 時給例1,050~1,080円(初任者研修修了時の場合) 内訳【時給1,020~1,050円+処遇改善手当2,000~5,000円/月 、 特定処遇改善手当0~20,000円/月】 賞与:合計9,500円~133,000円、年2回支給
時給例1,100~1,120円(経験3年介護福祉士の場合) 内訳【時給1,050~1,070円、資格手当50円/時、 処遇改善手当2,000~5,000円/月、特定処遇改善手当0~20,000円/月】 賞与:合計9,500円~133,000円、年2回支給
待遇 ・交通費支給(実費50,000円/月まで) ・社会保険(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金、退職金共済) ・車、バイク通勤(車通勤応相談、駐車場無料) ・昇給あり(金額は最低賃金額により変動有) ・制服貸与 ・昼食弁当補助制度有(自己負担1食200円) ・懇親会費用負担制度
勤務地 東京都町田市南町田5-16-1
アクセス 東急田園都市線 南町田グランベリーパーク駅北口徒歩6分
勤務時間 6:00~19:30の間で4時間~、週に3日の勤務からご相談ください
応募資格 介護職員初任者研修修了以上 |
見学ポイント
採用担当からひと言
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