心躍る方へ

「元日は休みだったけれど、晴れ着を着て、働いている施設に遊びに行ってきたの」

彼女から飛び出してくる仕事の話を聞いているだけで、活き活きと働いている姿が目に浮かびます。

 

彼女は初任者研修を湘南ケアカレッジで受けてくれたことをきっかけに、介護仕事百景で転職の相談をしてくれました。いくつかの施設を一緒に見てみることになり、明るくて気遣い上手な彼女との見学では、介護の仕事の話だけではなく、赤ワインに合う食べ物や美味しいラーメン屋さんの話などで盛り上がったのが印象的でした。もしかすると、食べることが好きな私に合わせてくれていたのかもしれません。

 

そして、安定して働ける場所を探して特別養護老人ホームに転職されました。ショートステイユニットへの異動が決まったことや、デイサービスへの異動のお願いがあったこと、節目節目で連絡をくださり、頑張って働いている姿を思い浮かべていました。

 

そんな彼女が友人との大事な食事会の前に、新年を迎えたご挨拶にケアカレを訪ねてくれました。元気な姿を見せてくれたことも嬉しかったのですが、「(私が)いてくれて嬉しいって言われたわ」、「よくそんなに頑張るねって言われたけど、仕事楽しいんだよね」、「良いところで働かせてもらっている」と、たくさん仕事への気持ちを語ってくれたことには、また別の嬉しさがこみ上げました。

 

介護仕事百景では、その人にとって良い職場に出会えるように、できる限り精一杯のお手伝いをしています。けれど、働く場所を決めるという一大決心に関わると、「本当にその選択肢で良かったのか」私は自問自答を繰り返すようになりました。「もっと別な提案をするべきだったのではないか」、「楽しく働けているだろうか」、自信を持って提案したにもかかわらず、不安をいつも抱えているようになります。

 

久しぶりに会った彼女が語ってくれる気持ちからは、彼女が彼女らしくご利用者さんから受け入れてもらって、楽しいと思いながら働けていることが、表情や言葉からひしひしと伝わってきました。そんな姿を間近に見ると、「いいところを見つけてくれて良かった」と安心するだけではなく、「そこ(その職場)を選んでくれてありがとう」と嬉しくなるのです。

 

デイサービスでの仕事を「本当に楽しいよ」と、笑顔で話す彼女の心が躍っているように見えて、この歌を思い出しました。

 

昨日より不安な明日が増えても

進め君らしく 心躍る方

(「ともに」/WANIMA)

 

アップテンポなこの曲を聞くと、心の赴くままに進んでいいと背中を押してもらえる気がします。

(影山)