本当に楽しむために必要なこと

週刊少年ジャンプ連載中の漫画「ハイキュー!!」のマイベストシーンです。高校生男子バレーボール部を舞台にしたこの漫画は、試合で勝てない落ちぶれた古豪のチームが、再起をはかっていく物語です。個性あふれるキャラクターの部員たちが、ちぐはぐながらに強みを活かしたチームワークを作り上げていく、人間の成長の過程も描かれています。

 

同期が試合でスタメンに選ばれていてもただ一人、ベンチに入ることすらできない選手がいました。そんな彼が、試合に出場できる可能性を見出したのがピンチサーバーという役目。試合の流れを大きく変えたい場面で、得点の決め手となるサーブが求められます。

 

しかし、ようやく掴んだ出場の機会で、彼は失敗して失点することを恐れ、平凡なサーブをしてしまいます。勝負すべき時に勝負せずに逃げてしまう自分の精神的な弱さと、ボールを自在に操ることが出来ない技術力のなさを思い知るのです。

 

思うように身体は動かず、ボールは飛ばず、中学までは高い目標も持たずワイワイとやるバレーボールが楽しかったのに・・・今は全然“楽しくない”ことに気付きます。

 

そして、このシーンで師と仰ぐピンチサーバーの名手から、

「勝負事で、本当に楽しむ為には強さが要る」と諭されます。

勝負事など結果を求めたいとき、本当に楽しいと思えるためには、強さすなわちその勝負に関する知識や技術が必要だということです。

 

思っている以上に、何かを本気で楽しむのは難しいのかもしれません。私にとって介護の仕事は、楽ではありませんでしたが、楽しいものでした。けれど、本当に楽しかったかと問われると、知識も技術も修行が足りなかったのではないかと思います。1人ひとりのご利用者さんと向かい合ってきたつもりでしたが、まだ出来ることはあったかもしれないと思うのです。

 

私が介護の仕事の本当の楽しさを見つけるのは、まだまだ先になりそうですが、いつか見つけてみたいです。

(影山)