50代での転職ストーリー

アイスクリームのように溶けてしまいそうな暑さのなか、また一人、卒業生から転職に成功したと感謝のメールをいただきました。嬉しくてつい何度も読み返してしまいました。

 

初任者研修から実務者研修とケアカレで受講してくださった彼女は、介護福祉士にもなり、障害者支援の仕事から高齢者支援の仕事への転職を考えていたそうです。「転職する際には、絶対に『介護仕事百景』を参考にしようと思っていた」との言葉どおり、施設紹介の記事を読み込み、とある施設へ見学に訪れたのでした。

 

当日は施設長が温かく迎え入れてくださったことに始まり、職員さんに話を伺う際も、その職員さんが記事に登場していた方だったこともあり、初めて会った気がしないほどリラックスして見学できたそう。

 

「実際に見学してみても、まさに記事どおり」と自分の目や肌で雰囲気を感じることができたと喜んでいることが、文章から伝わってきました。

 

相談を重ねながら進んでいく在校生の転職活動と異なり、卒業生さんが独自に進めていく転職活動のなかで、何が起こり、どう感じたのかはこうして教えてもらえるまではなかなか知ることができません。

 

自分で連絡をして一人で行く見学に恐らく少し不安もあったことでしょうが、それを吹き飛ばすように担当者の方が温かく接してくださったこと。記事を読んで、事前に施設の雰囲気を知っていることで、心の余裕が生まれて当日はリラックスして見学できたこと。取材をした私の書いた記事と卒業生が実際に見た現実の施設との間に、相違がなかったこと。

 

彼女の転職ストーリーで起こった出来事は、私も本当に嬉しく、「介護仕事百景」が卒業生さんの役に立てているのだと実感できました。

 

さらに彼女は、トラベルヘルパーになるという夢も抱いていると教えてくれました。ご利用者様の外出を支援するためには、身体介護の技術が必要不可欠だと考え、特別養護老人ホームで介護度の高いご利用者様を介助する術を教わりながら、技術を磨いていきたいのだとか。

 

夢を持って、そこに向かってコツコツと努力する生き方が本当に素敵だと思いますし、彼女ならきっと素晴らしいトラベルヘルパーになるだろうと一縷の迷いもなく思います。

 

50代での特養へのチャレンジに周囲からは心配の声もあったようですが、目的(夢)があり、それに必要な準備ができる彼女であれば、きっと大丈夫だと信じています。むしろ信じたいのかもしれません。年を重ねれば重ねるほど、挑戦することや環境を変えることが気持ち的にも、体力的にも身構えしてしまうことに私も最近気づいてきました。だからこそ、そのハードルを自ら超えて頑張ろうとしているのだと思うと、旗を振って応援したくなります。そうして頑張る人の姿を見て、また一人その背中を追う人が現れてゆくのだと思います。

 

 

実務者研修で他の生徒さんと分け隔てなく関わり、研修を楽しんでくれていた姿を、今度は介護現場で見れるのだと思うと、わくわくします。(影山)