「介護の仕事は、幼い子供のお世話をする保育士さんのように何かできるようになっていくことを喜べる仕事ではなく、今日よりも明日できることは少なくなっていくことが多い高齢の方を見守っていく仕事だと思います」
ユニットリーダーを務める田辺さんは、介護の仕事をそう表現します。
「もちろん綺麗なことばかりの仕事ではないです。けれども、『昨日よりも今日は調子がよさそうだから』と好物のゼリーを口に運んだら食べてくれたとか、いつも会話のキャッチボールがうまくできない人が『ありがとう』とふとした瞬間に声をかけてくれたとか。(介護の仕事を楽しめるかどうかは)そういった小さな良いこと、嬉しいことを見つけていけるかどうかだと思います」
森野さんが微笑みかけると、それに応えるようにご入居者さんもにっこりしてうなずき、森野さんの手にあるスプーンがご利用者さんの口に運ばれ、食事が進んでいきます。
ご利用者さんは自らの手で食事を口に運ぶことはできなくとも、手を貸してくれる人と一緒に「美味しいね」と二人三脚でする食事も、嬉しいことの1つになっているのでしょう。
特別養護老人ホーム陽光苑(横浜市旭区)は、相鉄線の二俣川駅からバスで10分ほどの住宅街の中にあります。
保土ヶ谷バイパスがすぐ近くを通っているため、車で通勤する人も多いのだそう。開所から7年経つユニット型の特別養護老人ホームであり、近隣でも比較的新しい施設です。
「知らないことが、まだたくさんありますね。進んでも進んでも、まだまだその上があるから(介護の仕事を)続けてこられたのだと思います」
10年以上前に介護職員としてデビューし、今は施設長として携わっている奈尾さん。
仕事を始める前に抱いていた介護の印象について、こう語ります。
「私が中学生だったころ、祖父母が認知症になり、両親が介護をしているのを間近に見ていました。認知症に対する知識などないその頃の私は、両親を困らせる存在に見えた祖父母が嫌いだとすら感じていました。大人になり、知人に介護の仕事を勧められた時も、私がイメージした介護施設はテレビなどで放映される“よそよそしく笑い合うご利用者さんと職員”といったものでした。『本当にそうであれば、私だったらそういう介護は受けたくないな』と思いつつ、見てみないと本当のところは分からないだろうと、介護の世界に飛び込みました」
決してプラスのイメージから始まったわけではない奈尾さんの介護の仕事。
「なぜだか、ご入居者さんが好いてくれるのが嬉しかったですね」
と、はにかみ嬉しそうにされる様子からも、今はポジティブな想いに満ちているようです。
自分にはまだ知らないことがあると己を知り、それでも前向きに進み続けることができれば、始めた理由は何でも良いのでしょう。
「こうやって、こうだよ。それで、あっちから来てさ…」
「そうだったんだねぇ。うんうん」
話題が途中でコロコロと切り替わり、結果としてその話の意図は分からない言葉をご入居者さんが発する中、介護職員はその意味を深く問うでもなく、そのまま受け入れ、相槌を打っていました。
よく聞いていると、この会話においてのご入居者さんの希望は、言葉の意味に沿った会話のキャッチボールというよりも、話を聞いてもらうことにあるのだと気づきました。
話を聞いていたのは介護主任の平野さん。湘南ケアカレッジの卒業生でもある彼女の、人を包み込むような物腰柔らかな話し方は、聞いていて気持ちが良いものでした。
平野さんが介護の仕事を始めたのは20年ほど前、女性が自立して働ける仕事を考え、介護職を選んだのだそう。
「最初は病院の看護助手として勤め始めました。仕事内容としては、食事や移乗、入浴介助など、病院と施設でそれほど大きな違いはなかったです。ただ一つ大きく違ったのは、病院では看護師の指示の下で患者さんのケアを行っていましたが、介護施設では介護の中心は看護師ではなく介護士であることです。介護士が中心となり、医師やケアマネジャー、看護師と連携して介護を提供していくのが施設での介護職の仕事なのです」
特別養護老人ホームなどの生活の場では、医療的な面でのケアはそれほど必要ではなく、生活面を支える介護職としての役割がより多く求められてきます。
「誰かの指示の下ではないので、自分自身の介護職としての関わりに責任を持たないといけないですね。けれど、施設での介護の仕事の方が私には合っていました」
ユニットでの業務に一区切りがついたところで、担当している2フロアー全8ユニットの様子を見てフロアーを回る平野さん。
「見ているのは、ご入居者さんの様子だけではなく、職員の顔色や調子、ユニットの雰囲気です」
「『お疲れ様です』と声をかけた時の返事などでも、『今日は調子よくないのかな?』とか察知できるように見守っています。気になる職員さんがいたら、また違った場面で声をかけて、困っていることを伝えてもらいやすくしています」
「ご入居者さんに安心して暮らしてもらえることはもちろん、職員にとっても働きやすい職場を目指していかないといけないと思っています。ご入居者さんよりも、職員さんの方が本音を話してもらいにくいですね」
なかなか打ち明けづらい本音を吐き出してもらえる存在であるために、日頃から目を配り身近であろうとしている気持ちが感じられました。
「陽光苑には意地の悪い人はいないですよ。人間だからそれぞれのキャラクターゆえ、ぶつかりあうこともあるけれど、『そういうこともあるよね』って、認め合えたり、助け合えたりできるのが良いところではないでしょうか」
帰りがけにばったり会った卒業生のひと言からも、多様な人が働く陽光苑の現場の声が垣間見えます。
人によって仕事を続けていくためのモチベーションの根源は異なります。
まだ知らないことがあることに気付き、それを探求できる喜び。介護職としての責任やプライド。そして小さな良いことを嬉しいと感じられる感受性の高さ。
その力の源はなにであれ、続けているうちにこの仕事が好きになっていることには変わりはないのだと思います。
【正規職員】 社会福祉法人陽光会 特別養護老人ホーム 陽光苑
年収例 3,444,400~3,922,800円(初任者研修修了時の場合) 3,628,800~4,081,600円(経験3年介護福祉士の場合)
月収例 235,400~265,300円(初任者研修修了時の場合) 内訳【基本給154,900~184,800円、処遇改善手当23,000円、 特定処遇改善手当10,000円、夜勤手当6,000円/回(月平均5回)、 資格手当2,500円、住宅手当10,000円、調整手当5,000円】 他手当:早遅手当300円/回、日祝手当1,000円/回、 準夜勤手当3,000円/回 賞与:合計4カ月年2回支給
248,300~276,600円(経験3年介護福祉士の場合) 内訳【基本給162,300~190,600円、処遇改善手当23,000円、 特定処遇改善手当10,000円、夜勤手当6,000円/回(月平均5回)、 資格手当8,000円、住宅手当10,000円、調整手当5,000円】 他手当:早遅手当300円/回、日祝手当1,000円/回、 準夜勤手当3,000円/回 賞与:合計4カ月年2回支給
待遇 ・交通費支給(実費50,000円/月まで) ・社会保険(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金、退職金共済) ・車、バイク通勤(可、駐車場無料) ・昇給あり(1,000~2,700円) ・シフト制 ・制服貸与
勤務地 神奈川県横浜市旭区今宿1-66-26
アクセス 相鉄線二俣川駅北口バスターミナルから「旭高校入口行き」バスで約13分、 ニュータウン第6下車徒歩3分
勤務時間 1日8時間勤務(夜勤は16時間)
休日 年間休日112日
応募資格 介護職員初任者研修修了以上
公式ホームページ |
【パート】 社会福祉法人陽光会 特別養護老人ホーム 陽光苑
時給例 1,330円~※週5日・フルタイム・曜日指定あり(初任者研修修了時の場合) 内訳【時給給1,200円、処遇改善手当130円】 他手当:早遅手当300円/回、日祝手当1,000円/回
1,530円~※週5日・フルタイム・曜日指定あり(経験3年介護福祉士の場合) 内訳【時給給1,400円、処遇改善手当130円】 他手当:早遅手当300円/回、日祝手当1,000円/回
待遇 ・交通費支給(実費50,000円/月まで) ・社会保険(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金、退職金共済) ・車、バイク通勤(可、駐車場無料) ・昇給あり ・シフト制 ・制服貸与
勤務地 神奈川県横浜市旭区今宿1-66-26
アクセス 相鉄線二俣川駅北口バスターミナルから「旭高校入口行き」バスで約13分、 ニュータウン第6下車徒歩3分
勤務時間 1日2時間~、週に2日から勤務などご相談ください。 (7:00~などの時間帯で勤務できる方尚可)
応募資格 介護職員初任者研修修了以上 |
見学ポイント
採用担当からひと言
他にもこんな施設・事業所があります
お客様としてご利用者さんに接することに違和感を覚えたなら、もっと身近な存在として、かしこまらずに、ゆるやかにご利用者さんと関わってみるのはいかがでしょうか。
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設
二俣川、南本宿